ライティングにおける色相表現について。色の三原色を理解しよう。
今回は3DCG作品において重要な役目を担うライティングについてご紹介します。
ライティングとは3D空間にライトを設置して実際の光を再現することです。
3DCG作品の評価はこのライティングのスキル次第で大部分が決まります。
撮影の際に3点光源といって複数のライトでモデルさんを照らし美しく見せる手法があります。
あの撮影手法をCGにも活用できます。
光源の種類や特徴を理解して初めてこの撮影手法が活きてきます。
[就職サポートプロジェクト]映像業界への就職のCGや映像制作におけるライティングの基本を参照のこと。
光源の種類
どんなに単純なモデルでもこのライティング技術が高ければ立派な作品に見えますし、逆にどんなに複雑なモデルをつくってもライティングのスキルが低ければチャチな作品になってしまいます。
ちなみに3D空間に設置する光源にはいくつか種類があります。
・ポイントライト
空間に電球のような点光源を設置します。周囲を照らすのが特徴です。
・ディレクショナルライト
平行な光線を発する光源です。
・アンビエントライト
アンビエントライトは光源の周囲360度を均等に照らします。
ポイントライトと似ていますがこちらは光の減衰が控えめです。
エリアライト
空間に面光源を設置します。面の向けられた方向を照らします。
面が大きければ大きいほど照らされる部分も広がります。
そして現実と同じで光を発する面が広いほど影がぼやけた感じになります。
スポットライト
劇場などでよく目にするタイプのライトです。
光の照射範囲が円錐になっているのが特徴です。
ボリュームライト
ボリュームライトは光源の大きさを変えられるのが特徴です。
光源の大きさに応じて照射範囲が変化します。
・イメージドベースドライティング
モデルの周囲に球体の環境マップを設置し画像の輝度情報から照らす部分の
明るさや色合いが決まります。計算時間はかかりますがよりリアルな表現が可能です。
主な光源は以上です。他にも三点光源や太陽光といった特殊なライティング手法がありますがこれはまた別の機会に。これらのライトの特性を理解し、被写体モデルに最も適したパラメータを設定していく必要があります。
パラメータというのは例えば光の強さや影の濃さ、光の減衰率のことなどを指します。
ライティング技術を極めることは3DCGを極めるにほぼ等しいといっても過言ではないと思います。それくらい深いし、設定に頭を使わなければいけない工程です。
ちなみにCG制作の分業化でライティング専門のライターと呼ばれる仕事もあります。
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前へ:テクスチャ制作の3つの方法
次へ:レンダリングとは
3DCGにおけるライティングの色相表現について
ライティングの重要性は作品の質の8割を左右する「ライティング」を学ぼうでわかっていただけたでしょうか。
光源の種類にはいくつか合って、それぞれの特性を知ることにより思い通りのライティングが生み出せるというお話をしました。
今回はそういった前提を踏まえた上で、ライティングの色相表現についてお話します。
色相とは?
色相とは彩度や明度と並ぶ、色の属性のことです。赤、青、緑といった色身の違いを指しています。
素晴らしいライティングには素晴らしい色相表現が使われているものです。
色を自在に表現するにはまず色の原則、原理というものを知らなければなりません。
まず色の三原色というものをご存じですか?
赤
緑
青
の3つの色のことです。
この3色の組み合わせでほぼ全ての色が表現できることから光の三原色と呼ばれています。(RGBカラーといいます)
この3つの原色、例えば赤と緑を組み合わせた色を二次色
この二次色と原色を組み合わせた色を三次色などと呼びます。
原色だけで表現できない色を原色と原色を混ぜ合わせた二次色で再現し
原色と原色の混ぜ合わせだけでは表現できない色は二次色と原色の組み合わせで再現します。
色相は光の色も組み合わせでどうとでも変わってくるというのを意識しましょう。
デジタル作品を印刷する際の注意
モニタに表示される色と、実際に印刷物として出てくる色では誤差が生じます。
表示する媒体が違う以上多少の誤差はしょうがないですが、誤差が許容範囲に収まるまでは何度もテスト印刷と修正を繰り返す必要があります。
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